糖尿病網膜症

厚生労働省によると「糖尿病が強く疑われる者」の割合は、12.1%、「可能性を否定できない者」の割合は12.1%であり、あわせて24.2%にものぼり、年齢に比例して増加していくことがわかっています。(平成28年「国民健康・栄養調査」厚生労働省)
眼底は血管が外部から見える唯一の箇所です。高血糖の状態が長期間続くと血管に異常が起こり、新生血管が発生します。新生血管から出血し糖尿病網膜症をおこし視覚障害を起こします。このことから1年に1回以上の眼科受診による早期発見早期治療により血管の異常を防ぎ糖尿病網膜症を防ぐことが重要です。

●糖尿病網膜症の治療について
網膜症の発症や進行の予防には、血糖コントロールがもっとも大切です。自覚症状が出現しにくいので、眼科医による定期的な精密眼底検査が不可欠です。進行したら、蛍光眼底造影などの精密検査を受けましょう。病状に応じて、レーザー光凝固術や硝子体手術を行います。

●精密眼底検査
網膜(眼底)を詳しく検査するために、瞳孔を拡げる目薬(散瞳薬)を点眼して行う検査です。薬が効いている数時間は眩しくて見にくいので、検査を受ける日は車の運転を控えましょう。

●光干渉断層計(OCT)
網膜の断層写真を撮影する検査です。

[健常]

写真の上方が眼球の内側、下方が外側です。
黄斑の中心(中心窩)は陥凹しています。

[黄斑浮腫]

網膜がむくみ、厚みが増加しています。黒い部分に滲出液が貯留しています。